注射業務マニュアル

注射業務は施設によりやり方が大きく異なります。
ここでは病棟で注射薬を定数配置した上で、薬剤師が病棟でセット業務をするで記入してあります。
文中で○○○○などとした所は各施設で実情に合わせて記入して下さい。

 

 

1. 注射薬の品質管理について
2. 外来の注射薬について
3. 入院の場合病棟の注射薬(定数分)について
4. 病棟の注射薬(個人セット分)について
5. 麻薬について

 

 

1. 注射薬の品質管理について  

院内での取扱注射薬は全てGMP(Good Manufacturing Practice医薬品の製造及び品質管理に関する基準)・GSP(Good Supplying Practice医薬品の供給と品質管理における実践基準)に基づいているものとする。また勤務薬剤師は院内では以下の条件を厳守し品質が保持されることに努める。

温度管理
  • 保管温度規制のある注射薬は外側の容器に条件が記載されているのでこれに従って適切な場所に保管する

光線管理
  • 光で分解・不活化される薬剤は外装または容器自体を遮光する。注射薬は褐色のガラス容器が用いられている。

  • 光分解を受けやすい注射薬は投与時、遮光カバーをかけるなどの防止策を要する

有効期限・使用期限
  • 薬剤の有効期限が過ぎると効力が減じたり、分解したり有害物質を生じることがあるので注意しなければならない。薬剤の容器・外装での有効期限や使用期限の表示に注意しなければならない。

区分保管
  • 薬剤は麻薬・向精神薬・毒薬・劇薬・普通薬と区分しなければならない。
麻薬注射一覧表
製品名 成分 規格単位
○○○○注 ○○○○ 10mg/1ml/1A
○○○○注 ○○○○
○○○○
20mg0.3mg/1ml/1A

向精神薬注射薬一覧表
製品名 成分 規格単位
○○○○注15mg ○○○○ 15mg /1ml/1A

毒薬注射薬一覧表(最近汎用のみ)
製品名 成分 規格単位
○○○○注 ○○○○ 5mg/10ml/1A
  • 麻薬は麻薬金庫に施錠して保管しなければならない。

  • 向精神薬は向精神薬保管庫に施錠して保管しなければならない。

  • 毒薬は決められた表示で「毒」と明示して毒薬保管庫に施錠して保管しなければならない。

  • 劇薬は普通薬と区分して保管しなければならない。

 

2. 外来の注射薬について

  • 外来処置室に汎用注射薬を定数にて配置する。

  • 注射薬で特殊な製品の指示があった時は、注射室へ連絡を入れ払い出しを要請する。

 

3. 病棟の注射薬(定数分)について

  • 病棟での注射薬は患者個人用の施用が原則であるが、緊急時などの指示変更に備え、注射薬を定数にて配置する。

  • 定数配置の注射薬施用時、必ず注射処方箋を記入しておく。

  • 病棟担当薬剤師は定数配置の注射薬が施用された時補充払い出しを行なう。

 

4. 病棟の注射薬(個人セット分)について

1. 処方箋記載例(別紙参照)

2. 処方箋用紙について

A4上下2分割 最終の保管@
調剤用 処方箋  −−−−  薬局A
看護用 施用票  −−−−  カルテ

3. 用紙の取り扱いについて

1枚をおおむね1週間で使用する。
医師はカルテに指示を記入する。
事務員がレセプト用コンピュータに入力する。
発行された処方箋を薬剤師がカルテと照合する。
薬剤師は@を見て薬局のコンピュータへ入力し、処方解析薬歴管理を行う。
薬剤師は@に基づいて注射薬をセットする。(原則として翌日分について)
看護婦はAに基づいて注射薬を施用する。(当日分について)→施用後確認押印
最終的に@調剤用は薬局で保管、Aはカルテに貼付される。

4. 記入上の注意

  • 施用期間限定の時実施しない月日はカルテに明記する。

  • すべての記録は修正液の使用を禁ずる。

5. 注射セットと請求について

注射セット日

施用日

日・月
  • 繁用薬は病棟に定数配置する。

  • 定数以外のものは薬局に連絡し払い出しを受ける。

  • 薬品セット時、ボトルなどへ患者名・部屋番号・施用指定時間などを記入する。この時誤認事故を誘発しないためにラベルなどで注意喚起を促すように工夫する。

  • 通常セットは病棟薬剤師が行い、確認を別の薬剤師が行なう。

  • 看護婦は注射などの施用前・施用時・施用後も確認を怠らないこと。

 

5. 麻薬について

麻薬取り扱いマニュアル参照